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二次創作ブログですゆえ苦手な方は御控くださいませ。
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国名で検索に引っかからないために、間に「.」を入れていますが、悪しからず。



「日.本さん、私、中.国から独立しようと思うんです」

彼女の明るい笑顔と、告げられた言葉の重々しさと、そして何より、強い決意の込められた瞳を見て、自分はただうろたえるだけだった。
弱体化した今の日.本に、出来ることなど無きに等しかった――精々が、多分ヒーローのように毎度現れるア.メリ.カを、経済的な面から支援することしか――。
そんなことはとても口に出来なくて、「そうなんですか」と震える声で曖昧な返答をした自分。
遠い昔に、蔵の奥底にしまい込んだ日本刀、今はそれを持ってふらつかないでいられる自信が無い。

こんなに情けない姿になった自分に、何か出来ることがあれば。
経済的なことでなら、台.湾を支援してやれるかも知れない。
軍事力は確かに無いけれど、でも他の面からなら、何か出来るかもしれない。
そう考えた日.本に、皮肉めいた笑顔を讃えて、中.国が言い放ったのは、つい最近のことだった。

「情けねえあるな」
「…中.国さん」
「日.本、我は手加減なんてしねえあるよ。
 お前は精々、国内の混乱でも落ち着かせているよろし」
「で、でも、私は、台.湾さんを支援するつもりで」
「なァに甘っちょろいこと言ってるあるか」

眠れる獅子。
そう称される中.国が、日.本にキッと鋭い目線を向けた。
普段のパンダやらキティやらを愛しそうに見つめる、あの幼い瞳は何処へやら。
恐ろしい獅子は目覚め、台.湾はおろか、日.本すらも取り殺してしまおうとしている。
日.本は、思わずビクンと身体を強張らせた。
戦時中では、全く有り得なかったこと。軍を持たなくなってから、全く鍛錬を行わなかった所為で、筋肉どころか精神まで弱体化してしまったようで。
震える自分を叱咤しながら、日.本は中.国に言い返した。

「だ、だって、そうでしょう?
 もし中.国さんと台.湾さんの間で戦争になったら、ア.メリ.カさんが介入することは目に見えている。
 そうしたら、必然的に、彼は沖.縄の基地を利用することになる。
 ですからね、中.国さん、確かに私は弱いですが、でも、お金なら出すことが出来ます。
 アメ.リ.カさんや台.湾さんに、軍事費用を送ることが出来ます」
「フン」

中.国は、日.本の発言を軽く鼻で笑うと、言った。

「そうあるね、日.本。確かにお前は我よりもずっと金持ちある」
「………ええ。ですから、私は台.湾さんを」
「でも日.本。もし、お前が少しでも台.湾を支援する気配を見せたら――
 そのときは、我はお前にも容赦なく銃を向けるあるよ」

言い放ち、中.国はどこかへと去っていった。
そのときの己の間の抜けた表情、はっきりと描写して見せることが出来るほどである。
もう二度と、刃を交えたくない相手だと思っていたのに。

日.本の上司は、あれからずっとだんまりを決め込んだまま。
依然として「台.湾を支持する」とも「日.本は関与しない」とも言わないので、日.本はやきもきした。
何か手を打たなければならないのに。
台.湾の決然とした表情と、中.国の冷たい目線が脳裏を離れなくて。
日.本は鈍く傷む頭を抱えながら、深い溜息をついた。



中日のような台日台のような、そういう微妙な関係。
どうして隣国同士って、こんなに仲が悪いの?

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テスト期間中の置き土産。
まあ、どうせ日記は書きに着ますけども~!

というか、どうせならダテチカを書けよと言うね。はい。
取り合えず韓日で、「占」(ダテチカ)の韓日バージョン。





数日前に上司から渡された、気の滅入るほど分厚い紙の束から、インク独特の匂いがプンとした。
日本は、この匂いが嫌いだった。
生まれた時から親しみ慣れた、墨の透き通るような香りとは、やはり随分違う。
インクの匂いを僅かに嗅いでから、日本は端正な顔を顰めた。
いくら西洋化をしたいとは思っていても、この匂いだけはどうにも克服できそうに無い。
良く、墨の澄んだ香りが恋しくなってしまう。
郷愁、とでも言うのだろうか。己自体が「国」である故に、「郷愁」では言葉が悪い気もするが。

嗚呼、そして、この書類の中身が、益々気分を悪くする。
こんな紙の束と対談だけで、あのロシアが唯々と返事をするわけがないだろうに。
日本はそうぼやいた。
仮に彼が唯々と頷いたとしても、腹黒い彼のことだ。
どうせ無茶苦茶な要求を突きつけられ、結局は彼の良いように決まってしまうだろう。
黒く印刷された文字が、灯りを受けてぬらぬらと厭な妖しさで光る。
ずらり細かい字で綴られた其れを見ていると、
無邪気に笑う、邪気まみれの彼が思い出されてしまい、日本は寒気がした。

「日本」

それまで、まるで存在しないかのように静かに座っていた筈の韓国が、唐突に彼の名前を呼んだ。
またこの人は、私の仕事を邪魔してくる…!
しかも、決まって、他国との重大な会議が開催される直前に。
どうして、彼はこんなにも他人に嫌がらせをするのが巧いのだ。
既に、芸当の域に達しているのではないか。
と、日本は心中で盛大にぼやいた。
もはやあきらめていることではあるものの、やはり苛立ちは沸いてくる。
どうしてこういうときに、静かにしていられないのだ、この人は!
ロシアとの北方領土問題の解決に全力を尽くしたい日本は、
韓国を見ずに「何ですか」と生返事を返した。

それが、彼の気に障ったのだろうか。
突然韓国は、ガタンと音を立てて椅子から立ち上がった。
日本は俄かに驚いたが、それでも表面には其れを出さず、
冷静に、来るべきロシアとの対談に備え、書類に目を通し始めた。
だが、やがて韓国を無視するわけにいかなくなった。
何のつもりかは知らないが、韓国が背後からそっと日本に抱きついてきたのだ。
幼い子供のように、酷く甘えた手つきで。
……一体何なのだ、この人は!

「…離してください」
「嫌なんだぜ」
「仕事の邪魔です」
「俺は構わないんだぜ」

な、と日本は言った。
普段から利己的な考え方をする人だとは思っていたし、事実だった。
だがまさか、此処まで己のことしか考えていない人だったなんて。
島国育ちであるからか、元々そういう考え方が嫌いな日本は、嫌悪の表情を浮かべた。
だがそれは一瞬のことで、すぐに取り繕うと、言った。

「貴方は、私のことが嫌いなんでしょ。
 だから、その…別に私と、密着、する必要は、無いと思うのですが」
「日本…、それ、本気で言ってるんだぜ?
 俺が本当にお前のことを嫌いだって、真剣に?」
「え?…ええ、本当に」

いまさら何を言い出すのか、この人は。
もし「そんなことない」だなんて言ってきても、信じる気なんて毛頭無いが。
一瞬面食らった日本は、しかし否定の言葉を口にした。
どうやら効果はあったようで、韓国は僅かに動揺したらしかった。
日本の首筋に掛かっていた、韓国の黒髪がさわりと揺れたことで、其れはわかった。
動揺している彼を見られるなんて、至極珍しいこと。
なんだか自分が優勢に立った気がして、日本は満足した。

だが、そうではなかった。
韓国は、一瞬の同様の後、日本を抱きしめている腕にさらに力を込めた。
先ほどまでの甘えるような抱きしめ方とは違う、酷く乱暴な。
日本の身体が、自然に強張った。

「日本」
「…!」

耳元で韓国の声がした。
生暖かい吐息が、日本の小さな耳をさわりと撫でた。寒気がした。
ぞわぞわと、背筋を虫が這うような感覚がする。気分が悪い、と思った。
嫌だった。彼から逃れようと身を捩じらせても、無駄だった。
死者の妄執のように、ねっとりとした、韓国の声が日本に絡みつく。

「俺は、お前のことが大好きで、大好きで仕方がないんだぜ。
 なのにどうして、日本は俺から逃げようとするんだぜ?」
「ッ」
「日本を愛してる。其れは俺にとって、確かで、絶対の事実なんだぜ」
「韓国、さん」
「なのに、どうしてそんなに大切な物を、ロシアやなんかに渡さなくちゃいけないんだぜ?」

中国の兄貴に渡すのだって、惜しいというのに。
呟かれたその言葉に、日本は背筋が凍った。
嗚呼、彼が私に抱いている感情の、何と深く恐ろしいことよ。
愛も憎しみも、はるかに凌駕した、彼の感情。
それが決して己の自惚れでない答えであるということを、日本は理解していた。
そしてそれを確信させた韓国の言葉に、彼は眩暈を覚えた。

「日本は、いつまでも、ずっと、未来永劫、俺だけのものであるんだぜ」

それはきっと、何よりも純粋な、狂気。
嗚呼、私は極上の狂気に愛されているのだ。
他のどんな感情にも塗り潰されることの無い、清らかで、濃く、滑らか過ぎる黒い感情に。

またヘタリア話。久しぶりに書く話がヘタリアってどうよ。ね。
スイス日本でアメリカ日本でリトアニア。
言い訳なんて…しないんだぜッ!ヒュンダアアアア!



「それでね、リトアニアったらこの間コーヒー入れすぎちゃってさ」
「わー飲みきれないですよねすみませんとか、ホント面白いんだよ」
「それから僕が掃除してるときも、お菓子とか作っててくれて」
「良い子だよね」

いつ終わるとも知れない、アメリカ君の『嫁自慢』を聞かされながら、私は手紙を開いた。
差出人はスイスさん。
非常に達筆で、流れるように書かれた文章はとても読みやすい。
スイスさんの今年の予算や経済事情などを簡素にまとめてあるので、とても参考になる。
やはり私も、スイスさんを見習うべきだろうか。
つい手紙を読むことに熱中していたら、アメリカ君が口を尖らせて文句を言ってきた。

「なんだよ、日本。聞いてるの?」
「――え?あ、ええ。それで?どうしたんですか」
「……なんか、興ざめしちゃったよ。
 日本って最近スイスとばっかり仲良いよね、あとギリシャ?とかも」

僕とは全然遊んでくれないよね、つまらないなあと、
年甲斐も無くすねる彼に苛立ちを覚えた。
何が全然遊んでくれない、んだか。私に構わないのは君じゃないですかと問い詰めたい。
私が一体どんな気持ちでいるか判っているのか。
アメリカ君とリトアニアさんの仲睦まじい同居生活を、
どんな思いで見ているのか、彼は判っているのだろうか。恐らく判っていないだろう。
どうせ、アメリカ君のことだから。



リトアニアは俺の嫁なんだよ!
そうアメリカ君が言い出したのは、いったいいつごろからだっただろう。
屈託の無い笑顔でそう告げられて、じゃあ私はどうなるんですかなどと言えなくて。
「ああ、それはおめでとうございます」と曖昧に微笑んでやった。
こういうとき、私は日本でよかったと思う。

第二次世界大戦のあと、あんなに親しくしてもらって。
あんなに優しくしてもらって、世間の目が冷たい中、彼だけが私を見つめてくれた。
その優しさに自惚れてはいけなかったのだ。判っている。
どうせあの温もりは、偽りの温かさ。所詮、私は彼に良いように利用されるだけの国。
そんなことは知っていた。
それだから、余計に腹が立つのだ。

リトアニアさんもリトアニアさんで、そりゃあロシアさんの下にいるよりは、
アメリカ君の下で働くほうが、よほどまともで気楽だということは判るけれど。
それでも少し、彼を甘やかしすぎなんじゃないかと思う。
もっと厳しく接してやっても良いんじゃないか。だから彼はあんなに付け上がるのだ。
私だって、あそこまで彼に甘くしてやる必要はないと思う。
大体、私のほうがリトアニアさんの何倍もアメリカ君に尽くしてきたというのに。

どうしてアメリカ君は、リトアニアさんの方を大事に扱うのだろう。

――…私は、何を考えているのだ。
これではまるで、私がリトアニアさんに嫉妬しているみたいではないか。
しかも、アメリカ君が私に構ってくれないから、という、大変不本意な理由で。

テーブルを挟んだ向こう側で、アメリカ君が心配そうにこちらを見ていた。
私が何も答えないのが気に食わないのか?
私はスイスさんからの手紙を丁寧に折り畳んで、再び封筒の中に収めた。
テーブルの上の緑茶は、既にぬるくなっているようで、淀んでいた。
それをみて何ともやるせない気持ちになりながら、私は横の髪をかきあげた。

「ええ、そうですね。あの御二国とは、仲良くさせて頂いていますよ」
「なんでー!?俺ともっと遊んでよ、寂しいじゃないか」

貴方の「遊ぶ」は、「遊ぶ」ではなく「利用する」ではないですか。
その言葉を口にするのは控えて、私は歪んだ笑いを作った。
自分の顔が、濁った茶に映っていた。酷く醜い顔だと思った。

「いやですよ」
「え?」

アメリカ君が目を見開いた。滑稽な顔だ。
どうやら今の言葉を理解するのに、時間が掛かったらしい。
数秒後、ようやく理解したという体で、彼は「なんで」「どうして」と尋ねてきた。
その態度にまた腹が立った。私を利用することしか考えていないくせに。
冷たい怒りはとどまるところを知らない。

「スイスさんもギリシャさんも、非常にお優しい。貴方とは違って。
 もう貴方に利用されるのはうんざりなんですよ。いい加減私を手放してください。
 貴方には、リトアニアさんという素敵なお嫁さんがいるじゃアないですか。
 私なんて、もう、不必要でしょう?」
「――日本」
「さあ、もうこんな時間ですよ。そろそろ帰宅されてはいかがですか?
 最近私の国も物騒ですし、いつまでも安心されていると怪我をなされますよ」
「日本!」

強い口調で彼が私の名を呼んだ。
一瞬ビクリと身体を震わせてしまってから、しまったと思った。
驚いた拍子に、いつの間にか堪えていた涙が、ポロリと頬を伝った。
アメリカ君が席を立ち、テーブルを廻って、私の傍へとやってきた。
彼の白い指が、私の涙を拭った。自分が酷く子どもじみていて嫌いだと思った。

「勘違いするなよ、日本」
「――していません。全て事実でしょ」
「俺は、日本が好きだ。日本のことが大好きだから、一緒にいたいと思ってるんだよ。
 日本のことを利用してやろうなんて、俺は全然思ってない。
 …確かにリトアニアのことをお嫁さんだ、なんていったけどさ。
 日本は、恋人とか、嫁とか、そんなちゃちな言葉じゃ言い尽くせないような存在なんだ。
 俺にとって掛け替えの無い、とっても大事な、大好きなモノ。
 それが日本」

いつの間にか、彼の温かい腕の中で、私は抱きすくめられていた。
西洋の愛の言葉と、この行為は、やはり苦手だ。
悔しかった。
彼の腕の中で、ぼろぼろと涙を零しながら、私は唇を噛んだ。

(ちくしょう)

嗚呼どうして私は、こんなひとを好きになってしまったのだろうか。
どうしてこんなひとを、愛してしまったのだろうか。
どうしてこんなにも、こんなにも憎いのに、どうしてこんなにも、愛しいのだろうか。

悔しくて悔しくて、また涙が溢れた。

タイトルは別に関係無しで。米日米…?…??英日?もあり?
本家のあの英語ネタをアレしてナニしました。



(アメリカ is すっとこどっこい、アメリカ is おたんこなす)

イギリスから教わった英語を自分なりに応用しつつ、日本は帰路を辿っていた。
そういえば、と日本は英国紳士の言葉を思い出した。
――なんか不満でも溜まってんのか?
まあ、不満は溜まっているといえば、溜まっているけれど。
新たに「アメリカ is 馬の骨」という我ながらの名文を捻り出しながら、日本はぼんやりと思った。

不満は溜まっている。
大体、郵政民営化だとか、普天間基地移設問題とか、
そんなのは大体アメリカの都合を押し付けられたのが原因だ。
結局私は、アメリカの言い成りと化してしまっている。
その所為で国中が憤り、争いをするなんて、随分滑稽である。
いっそスイスさんのようになってしまいたい、日本は溜息をついた。

(スイス is 私の憧れ、スイス is 今年の抱負)

ああ、まあ大体こんな感じなのだろうか。雰囲気的にはつかめた気がする。
最早それは英語と言って良いのだろうか、定かではないが、
日本はひねり出した名文を腹の中で復唱しながら、密かに満足した。
それにしても、アメリカに関する不満についての英作文なら、
何個でも思いついてしまうから不思議だ。

(アメリカ is 変人、アメリカ is ……)

ふと、数ヶ月前に、花見に日本の家へやってきたアメリカを思い出した。

『桜も綺麗だけど、君の方がもっと綺麗だ』

『――冗談はやめてください』

『冗談じゃないよ。僕は君が大好きだからね。
 僕の目には、君は世界中の、どんな花よりも美しく見えるさ。
 ね、愛してる、日本』

よくもまああんな恥ずかしい台詞を、ぬけぬけと言うことが出来るものだ。
思い返して、思わずカアと顔が火照った。
しかし彼にそういわれると、悪い気はしなかったことは事実だ。
それに、どちらかといえば、その言葉を嬉しいと思ってしまった。

(――これが恋というものなのか)

周りに人がいなくてよかった。赤く火照った顔を見られるのは、恥ずかしい。
ああ、もう。
私はアメリカ君が好きなのか。
私は、アメリカ君が。
これではもう一つ、英作文を作らなくてはいけないじゃないか。

「アメリカ is ………」


私の、大切な人。




あとがき
恥ずかしいのは私だ!切腹!!
すみませんWW2終戦直前…?みたいな。
イタちゃんとドイツさんはもう降伏済みで、日本君だけ戦ってる感じ。
…あー、カプ、とか、は、固定してない、です。書き始め現在。
アトガキ?とか、そういうんでアレします。
血とか、血とか、遠慮なく、あったりなかったり、そんな感じ。



林を走っていた。
途切れることの無い真っ暗な林を、只管。
出口が見えない。 光も見えない。
私は、なんで、こんなところにいるのか。

イタリア君とドイツさんは、降伏したらしい、という話を聞いた。
どこか抜けていて、あどけない笑顔が絶えなかった筈のイタリア君の、あんな苦々しそうな表情は初めて見た。二度と見たくないと思った。辛そうで、辛そうで、居た堪れなかった。
そういえば、ドイツさんの新しい上司が、ユダヤ人の虐殺をドイツさんに命じたらしい。あんな心優しいドイツさんにそんなことが出来る訳が無くて、抵抗したドイツさんは何度も殴られ蹴られ、青あざが絶えなかった。

――どうして、こんなことになったんだろう。

生まれた時から傍にあった日本刀は、さび付いて、刃こぼれしていて、もう使い物にならなくなっていた。
いつの間にか、拭いても拭いても、血を拭き取りきれなくなっていた。余りにも血を吸わせ過ぎた。何回、私はこの剣で、他人を傷つけたのだろうか。こびり付いて取れなくなった、暗褐色に変色した、血の跡。その血の色は、今の私の目の色だと誰かにいわれた。誰に言われたのか良く思い出せない。
誰かを斬った直後に、その誰かに言われた言葉だったかと、思う。
兎に角、今の私はそういう瞳をしているらしい。随分と滑稽な色をしていると思った。

ふと光が見えた。
林のそちら側から見える、眩い光が見えた。
あれはなんだろう。
敵の罠かも知れないとか、そんなことは考えないで、そちらに向かった。
何日ぶりかに見た、眩い光。



良く見知った人物が立っていた。

『やあ、日本』
『――アメリカ君』

どうして、彼は、戦場にいるというのに、微笑んでいるのだろう。
彼の笑顔は、ロシアさんのそれを彷彿とさせる笑顔に、摩り替わっていた。本来の陽気で人懐こい、イタリア君にも似ていた彼の笑顔は、気が付いたら、ロシアさんと同じ、冷たい笑顔に。
眼鏡越しに見える、彼の青い瞳は、鈍く光っていた。

『どうしてこんなところにいるのか、聞きたいらしいね』
『…ええ、とても』
『日本にね、降伏勧告をしにきたんだよ』

悪魔のような、救いの言葉。

『もうイタリアもドイツも、さっさと降伏しちゃったしさ。
 二人とも、残った君のことを心配していたよ?
 君も早く僕たちに下らないと、いい加減死んじゃうんじゃないかな』
『私は――』

何代前だか忘れてしまったけれど、上司の言葉が、今でも耳にこびり付いている。
勝て、勝つことだけを考えろ、負けを認めるな。死を覚悟して戦場に立て。
いざとなったら、自分で腹を割け。それが日本男児というものだ。
――そうだ。
震える手で、使えるのかどうか最早分からない日本刀を抜いた。
アメリカ君が目を細めた。

『私は、退くわけには行きません。
 ここで、貴方と戦います』

足が縺れる。何日も飲まず食わずで走り通しだった所為か、頭がズキズキと痛んだ。面白いほど胃が痛かった。これまで戦い続けて負ってきた傷が、じわじわと痛み出した。
アメリカ君は、そんな私を、しばらく興味深そうに見つめていた。
やがてずれた眼鏡を押し上げると、笑った。

『そっか、残念だよ。
 それじゃあ此方も、最終手段を使わないといけないかなあ。
 ちょっと痛いし、しばらく動けなくなるかも知れないけど、大丈夫』
『何、を――』
『僕がちゃんと、看病してあげるからね』

彼は、笑った。

薄れ行く意識の中で、太陽よりも熱く眩しい光が、私の身体を焼いたのを覚えている。
嗚呼、日出ずる国の象徴、日輪の如き光に焦がされて、私は倒れるのか。

随分と、芝居じみた終わり方だ。


アトガキ…というか、懺悔の時間

米日でしたね。でしたね、じゃねえ!
切腹だー!なんだコレ!なんだコリャ!!なんだKoreaーーー(なんだコリャー)!!
…はい。
当初は中国さんとか出てくる予定でした、が、駄目、でした。ね。
途中の瞳の色の辺りで中国さんがちらっと出てくる予定でしたが、割愛。
いつかそこだけ取り出して書きたいです。中日ハァハァ(*´д`*)
私的にいくつか意見を述べさせて頂きますと、
アメリカは最初イタリアみたいになんか子どもっぽかった。
だけど戦争してるうちにロシアさんの性格を貰い受けてしまった。
そういう感じです。言い訳。

おしまいだぜ!(孫市)
プロフィール
HN:
空豆 青子
性別:
女性
職業:
学生
自己紹介:
バサラメインで雑食。
NLもBLも大好物です。最近勉強しなくちゃで半泣きです。

http://www35.atwiki.jp/kolia/
全力で支持
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